何時の頃からか,桃子と握手するたびに,これが最後と思うようになった。
今回もそんな思いでライブを見て,握手に臨んだ。
夜の部のあとの桃子との握手は,期待を裏切ることのない,いつも通りのものだった。
桃子はやっぱり桃子のままだった。
後ろのスタッフに流されていく私をいつまでも見送りながら,
ぎりぎりまで手を握り,目線をくれた。


桃子との十数年を想いながら臨んだライブ。
そういえば,べりとしての最後の握手もここ山形だった。
あのお台場とラクーアで始まった桃子との日々も,もうすぐ終わろうとしている。
本当はそんな悲壮を感じる時期ではないのかもしれない。
まだ,何かあるかもしれない。


でも,終わりは着実に近づいていて・・・。


帰りの電車では酒を飲みすぎた。
仙台に着いてからカラオケに寄り,桃子がらみの歌を歌った。


桃子のファンになってよかったと、心の底からそう思った。